その1・岡大病院がガン遺伝子治療の効果判定のため部会設置96年1月に、岡山大学医学部第一外科から同大学医学部附属病院の遺伝子治療臨床研究審査委員会へ、「肺ガン患者にたいして遺伝子治療の臨床応用を行いたい」との申請が出されていた。
このため審査委員会は、遺伝子治療の安全性や効果を客観的にみる「安全・効果評価判定部会」を下部組織として設置することを決めた。
この秋までに結論を出す予定で、ゴーサインとなれば、厚生省と文部省へ許可を求める申請をすることになる。
その2.エイズウイルスの活動を抑える人工DNAを北大が開発北海道大学の免疫科学研究所と薬学部の研究グループが、エイズの発症を遅らせる人工のDNAである「アンチセンスDNA」の合成に成功した。
エイズウイルスのもっているnefと呼ばれる遺伝子は、ヒトの体内に感染すると発現して、ウイルスを活性化させる機能をもつ。
感染によってキャリアとなったあと、長いあいだ発病しない患者ではnefが機能していないのだ。
そこで研究グループは、nef遺伝子が発現してAPC遺伝子に異常があると大腸にポリープができてガン化しやすいことを発見したのは、N祐輔氏をはじめとする日米共同研究グループだ。
大阪大学微生物病研究所の研究グループが、アメリカの科学誌『サイエンス』への投稿でそのくわしいメカニズムを明らかにした。
マウスの細胞を使った研究で、APC遺伝子を注入すると細胞分裂のためのDNA合成をしなくなることなどから、「APC遺伝子が細胞の分裂周期を制御する機能をもっている」ことを明らかにした。
これによって、APC遺伝子は別の遺伝子が作るタンパク質と結合して、細胞分裂の周期を正常に保つことでガン化を防いでいると考えられるという。
(メッセンジャーRNA)が作られたとき、結合して活動を抑え込んで無力化してしまうアンチセンスDNAの開発をめざしてきた。
合成したアンチセンスDNAをエイズウイルスに感染したリンパ球の入った試験管に入れたところ、nef遺伝子によって作られるはずのタンパクの量が半減したのを確認できた。
作られるタンパク質が減った分だけ、ウイルスの活性を削ぐことに成功したと考えられるわけだ。
開発した北大免疫科学研究所のI教授によると、「エイズウイルスを活性化させる遺伝子としては、nefの他にもtatやrevが知られていて、これを抑えるアンチセンスDNAも合成されている。
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